予防歯科の目的

昭和時代は虫歯の洪水で虫歯を削って詰めて「はい終わり」、「また痛くなったら来てね~」などと言って終わっていた時代でした。
残念ながらう蝕と歯周病は完治することは有りません。
今、令和時代ではう蝕と歯周病は予防歯科による継続的な管理が必要な慢性疾患であるという認識のもと予防に取り組む時代となりました。

「う蝕と歯周病の予防なんてすると患者が減る!」なんて真顔でおっしゃる歯科医が昔はいらっしゃいました。(笑)
「歯医者が増えたから集客に予防‼・予防‼と言ってるだけ」なんておっしゃる患者さんは今もいらっしゃるかも?(笑)
うちのメインテナンスの患者さんはしっかりと意義を理解していらっしゃっていますので!そんな方はいませんが(笑)

では本題に入ります。 う蝕と歯周病を完治させるためには理論的には病原菌の完全な駆逐が必要です。しかしう蝕や歯周病を引き起こす菌は昔からの常在菌です。歯がない方の口腔内にもいます。そしてその菌は心内膜炎やアテローム性動脈硬化の病巣からも認められ関連性が裏付けられていますお口の菌は万病のもとです。(糖尿病 動脈硬化 心臓弁疾患 低体重児早産 癌 非アルコール性脂肪肝炎NASH など)
こんなに医療進んできているのだからそれらの菌を駆逐できるお薬はないの?
残念ながらNOです。
抗生物質では(完全に駆逐できるのは非常在菌だけ)完全に駆逐できないのです。常に細菌の住処であるバイオフィルムの病原性が高くならないように予防しなければならないのです。(細菌が集団で悪さができない環境を作らないといけないのです。)
歯垢の磨き残しがないのが理想です。100パーセントの歯みがきは我々歯科医でも自分では無理です(セルフケア
磨き残されたバイオフィルムは時間とともに熟成し病原性がますます高くなります。(お風呂や流しの排水溝のぬめりと同じものです、放置するとどんどんヘドロのようにまといついていきますよね。細菌が続々と増えている状態です。)バイオフィルムを定期的に破壊する(プロフェッショナルケア)がひつようなのです。

う蝕は脱灰と石灰化のバランスが偏っている状態です。脱灰因子が強い場合う蝕が発生するということになります。バイオフィルムの周囲環境を整え脱灰と再石灰化のバランスを保つことが必要になります。
歯周病ではバイオフィルムが厚くなり歯石などで歯周組織が傷つき脆弱になると歯肉内面に潰瘍ができ出血しそれを栄養にますますバイオフィルムの病原性が高まります。いわゆる負のスパイラルに陥ります。
歯のバイオフィルムと歯周組織の防御力のバランスが均衡するように常に管理が必要なのです。この均衡を保つことこそが予防の目的です。

う蝕と歯周病は患者さん自身のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアが必要なことおわかりいただけましたでしょうか?
病気の第一の主治医はご自分です。生まれ持ったものを大切に薬に頼らない健康を目指しませんか?